「IXY DIGITAL 300」の思い出

昔の写真、残っていますか?

私の親世代(戦後生まれ)は、フィルムカメラや使い捨てカメラ「写るんです」の時代。だから、アルバムに貼り付けてある写真だけが、思い出として残ります。ネガを残しておいて、焼き増しすることは、なかなかないですね。

そして、私の若い頃(2000年代初頭)は、ちょうどデジカメが普及し始めた時期でした。その頃のケータイ(今でいうガラケー)のカメラは、PCとの連携機能が弱く、「機種変したら画像が移行できない」のが普通でした。だから、当時の若者の思い出は、「携帯の機種変とともに消えていくもの」なのでした。

しかし、私は当時からデジモノが好きで、当時としては比較的高性能なデジカメ「IXY DIGITAL 300」を保有していた。だから、結構な数の思い出が、JPGデータとして残っています。画素数はなんと「200万画素」で、今にしてみればオモチャのようなカメラなのだけど、重厚感のある本体がめちゃめちゃかっこよくて、気に入っていた。本体は6万円くらいだったかな? メディアは、今はなきCF(コンパクトフラッシュ)で、たしか32MBを4000円くらいで購入した記憶があります。「32GB」ではなく、「32MB」ですよ…。GBの1000分の1です。今のスマホだったら、10枚くらいしか写真が撮れないのでは。

そんな200万画素クラスのデジカメで撮影した写真を見返して思うのは、「画質の悪さは、全然気にならない」ということ。思えば、当時から「200万画素あれば、ハガキサイズの用紙に印刷しても粗く見えないレベル」と言われていたのだから、PCで閲覧する分にはまったく気になりません。

で、この写真は、新宿駅周辺で撮影したものなのだけど、見ての通り「W杯」当日。日本が試合に勝ったのでしょう。2002年のFIFAW杯の熱狂が伝わりますね。あの頃、日本中が沸いていたのです。

私は当時のアルバイト先の友人と一緒に歩いていて、友人が道ゆく人と「NIPPON!!」とか言って、ハイタッチを交わしていたのを覚えています。当時から冷めていた私は、ハイタッチなど恥ずかしくてできませんでしたが、都会っぽさを実感できて、ニコニコしていました。それにしても、良い写真…! この写真を見なければ、当時の記憶を思い出すことは二度となかったでしょう。「さくらや」は今はないと思うので、懐かしいですね。

思い出はすぐに忘れてしまいますが、写真を見ると記憶がよみがえります。当時は、デジカメを買った時に「こんな高いもの、いらなかったかなも」と思っていましたが、20年経っても当時の空気感を思い出せるのならば、安いものですね。

こちらの写真は、たしか小金井公園。一見綺麗に見えますが、解像度が低く、細部が潰れてしまっていることが分かります。でも、この質感は画素数が悪いからこそ! 今だったらトイカメラ代わりになりそう。IXI DIGITAL 300は、その後誰かにあげてしまったので、もう手元にはないのだけど、たまに使ってくれていたらいいな…。

今回は、IXY DIGITAL 300の思い出でした。今の私はというと、高級な一眼レフには手が出せず、EOS Kissシリーズを持ち歩いています。エントリーモデルといっても、性能は年々上がっているので、「10年前の最高級モデルと同等の画質だ!」と思い込むようにしています。(実際そうらしいです)

20年前と比べて、今は飛躍的にカメラの画質が良くなりました。変わらないのは、当時も今も、お金がないこと。もう、いつまでこういう生活を続けているのでしょう…。でも、楽しいから良いのです。